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06年12月10日     全行程 4時間25分     歩行時間 3時間45分     万歩計 13,543歩

 不入山(いらずやま)(1,336m)・・・原始の山がそこに在った。

不入山、地図 仁淀村メインストリート 此処の所たいした山に登っていない。
今日は少し遠いけど、四国百名山に載っている 不入山 へ行こうと思う。この山は前々から気になっていた山であった。ガイドブックにも又ネット上でもだが、深山幽谷 と言う言葉が必ず出で来る。又それらしい雰囲気の写真も載っている。少し遠いのと林道歩きの1時間は嫌だが、登山口からの歩行時間は長くはない。最近は植林地の中ばかりの山歩きで少々嫌に成っている。気分を変えたい。深山幽谷がどれ程のものか見てみたい。
朝6時出発。冬の空は未だ暗い。三坂峠を越え久万町へ。道路は濡れているのかアスファルトが黒い。
空と山が分かれ始め稜線が黒くシルエットを描きだす。黎明と言うのだろうか?、好きな時間帯だ。 崩壊跡 ベルトコンベアー
高知県に入り7:20大渡ダム湖畔の ひめしゃら休憩所 着。この先の右折場所を確認する。
道路は白く乾いている。空も白いが雨の心配は無さそうだ。ダム堰堤を過ぎると間もなく分岐の信号。赤い橋を渡り439号線へ入る。初めての道だ。直ぐに旧仁淀村のメインストリートへ。万国旗が賑やかにはためいている。今時こんな・・・・言うの止めとこ。仁淀村のファンを失うのはまずい。(−_−)。
道は一箇所狭い区間が有るが、概ね2車線、走りやすい。途中石灰を運ぶベルトコンベアーが上を横切っていた。左手の広場には真っ白い石灰が積まれている。道幅が狭まり(1,5車線)峠へと登っていく。右山腹に大きな崩壊跡。真っ白な巨大な岩が今にも崩れ落ちそう。(あれが落ちて来たらお陀仏だな)。登り切ると矢筈トンネル、手前が広くなっており、不入山への標識が有る。 鳥形山 矢筈トンネル分岐
指示通り左へ狭い山道を進むと、工事中の看板。赤土でぬかるんでいる。その先が広くなっていて工事用のプレハブ小屋がある。右に林道。此処だな。軽ワゴンが1台停まっている。その横に駐車。
直ぐ後ろから同じ軽ワゴンが2台。何だ?何だ?どうなってるんだ??そんなに人気の有る山なのか?。どうも工事の人らしい。それよりもバックミラーに映った景色が気になる。もどかしくデジカメを持って手前のぬかるみへ戻る。凄い!もの凄い!! 真横に断ち切った直線。上は白。雪崩のような縦筋。暫し呆然。これが鳥形山か!なんとデカイ。皿ヶ嶺の皿など話にならない。無残等と言う気は無い。美しい、実物大の芸術品だ。

案内板 船戸林道ゲート 鶴松森 @8:10 林道入口出発 標高900mくらい

船戸林道。直ぐに黄色い柵。左手の谷筋を大きく巻いて緩やかな登りが続く。木々の合間から広い裾を引いたなだらかな山が見える。全山植林された緑の美しい山。鶴松ノ森 だろう。少し左には風車の羽が見えてきた。かつて天狗高原から、雨ヶ森から、遠く霞んで眺められた数十機の風車。此処からだとかなり大きく見える。 道は稜線を越え不入山の前山の北を巻いて行く。右手潅木の間からは鳥形山が見え始めるが枝が邪魔で全容が見えない。スッキリしない苛立ち。歯がゆい、何とか成らないのか!嶺北ネイチャーハント。(誰に八つ当たりしているのか?)。
進むと森の巨人たち100選の案内板。NO.77「四万十川源流のモミ」、行ってみよう。

モミの木 森の巨人案内 風車

数分で到着。デカイ!かな?大きいのは大きいが、まあ取り敢えず驚いておこう、せっかく来たんだから(−_−)。振返ると天狗の森、五段城がはっきりと見えている。鳥形山はやっぱり喬木が邪魔だ。何とか成らんのか!(歯がいたらしぃ)。
戻って林道を少し進むと、登山口らしき案内板。水場がある。山から引いた黒いジャバラのホースからは雨が多かったにも係らず水が出ていない。この水場は当てにしない方が良い。さて登り口は何処だ?斜面には踏み後も赤テープも無い。おかしい。まて待て、この林道を其のまま進めと言う事か?。

四国カルスト方面 水場 案内板 分岐点 案内板

苔 苔 苔 A9:00 林道終点手前登山口発 標高1050mくらい 

其のまま進むと道幅が狭まり登山道らしくなって来た。10分も歩けば分岐点。上、幽谷コース、右、槙尾根コース。幽谷コース から登ろう。
やや暗いが広い谷筋。石の積もったガレ場を登る。全て緑の石だ。そうでは無い。苔。苔むしている。石が緑の苔に包まれているのだ。濁りの無い緑のふんわりとした丸い膨らみがザクザクした硬い足元に優しく続く。 根 岩 根
谷が狭まると両側には岩。巨大な露岩。剥がれ落ちた岩肌が白い。
驚くのは 木だ。いや違う、根だ。この根の張り様はどうだ。縦横無尽、奇想天外、表現する言葉も無い。ただ黙って感じれば良いのだろうか?。そこに岩が在るから避けた、張り付いた、巻き付いた。唯、其れだけの事なのだろか?。何もそうまでしなくても、等と考えるのは卑小な人間である私の浅い思考だからか。自然界には正も邪も無い。石の思い、木の思い、苔の思い、それぞれの思いの合わさりが自然なのだ。
深山幽谷。私もこの言葉を使おう。
何処を如何登ったのやら。足を止めてばかりの様な気がするが、知らぬ間に尾根と判る笹道に達している。もう終わりか。笹の中の分岐点。左山頂の表示。右へ行けば槙尾根コース。帰りが楽しみだ。尾根道には何が待っているのだろう。回れ右。いざ山頂へGO!。

痩せ尾根 尾根の分岐点 B9:45 尾根の分岐点着 標高1280mくらい 

大好きな痩せ尾根を進む。気分は舞上がっている。言葉には出さないがはしゃいでいる。根っこに乗って滑っている。喬木を掴んでいる。岩を巻いている。笑顔である(たぶん)。 オッス太郎坊!。元気かや?旨く撮ってやりたいがオレ写真下手だからなぁ〜。でかさを何とが出したいんだけどなぁ。目一杯後ろへ下がる。右に山頂らしき高みが見える。天辺は直ぐ其処だ。尚も暫く痩せ尾根を楽しみ進むとガランとした開けた空間に出た。山頂表示板。不入山。

尾根道 太郎坊 太郎坊 根っこを越える 山頂

南、遠望 祠 山頂

C10:10 不入山着 標高1336m 休憩30分 

広い山頂。奥にベンチ。手前には大きい一等三角点。周りは潅木が繁り、眺望は南側以外はもう一つ。空は少し暗い灰色。
風が強いのか、木々の唸る様な捻じれる様なざわめきが下から這い上がり音量を増して来る。その轟音に驚き身構えるがそれ程強くは無い。南は見知らぬ山並が重畳と続いている。その先は海なのか?白い空が明るく輝いている。 源流点表示板
それにしても此処まで驚きの連続だった。 登山口から1時間程、林道入口からでも2時間だ。短か過ぎる。もっと長く驚いて居たって構わない。
南へ下る道が有る。源流点の表示板。南東尾根を辿るルートのようだ。先ず先ず整備されている。右手にも同じ様に源流点の表示板が立っている。南西方面へ向かう様だ。笹が被さり荒れている。どちらも四万十川源流の同じ所へ向かうのか?それとも別の源流への案内か?不明だ。
早いけど昼食としよう。あらっ、振返ると祠があった。石積みの上に石の祠。中には薄っぺらな鉄板で出来た錆びた鳥居が数枚、奥に立て掛けてある。北を向いているのは石鎚を指しているのか?喬木の隙間からは鳥形山の一部が暗い空に薄く滲んで見えているだけだ。

尾根道 尾根道 根

D10:40 山頂出発  

天気は今一はっきりしない。太平洋側は晴れの予報を信じてこの高知の不入山を選んだ所も有ったのだ。
岩尾根を戻る。短か過ぎる。直ぐに太郎坊。手短に別れを告げる。11:02、早過ぎる。もう尾根の分岐だ。勿論直進、槙尾根ルートへ進む。期待してるぞ 槙尾根ルート!。何を見せてくれる!!。
岩尾根を右へ下る。伐採跡に生える様な草や、ごじゃごじゃした矮小木が無い。スッキリとした静けさ。足元には赤っぽい落葉そして此処でも根が波打っている。足の置場は何処だ。岩に纏わり付く根。何処からが幹なのか?。岩壁に添う一本の木、根が二つに別れ、一つは真直ぐ下へ地面まで伸びている。もう一つの根は直角に進み岩を押えている。どちらの根も空中に晒している。これで立って居られるのか?現に立っている。魔術師か?キテマス来てます。先週使ったフレーズだった。(−_−)。自由自在なのだ。発想に淀みが無い。無限だ。
足元 倒木 根 空中に立つ木 根 根っこ

岩場のテラス 岩場テラス

E11:15 岩場のテラス着 標高1170mくらい 休憩10分

此処がガイドブックにある岩場のテラスか。少し休もう。朝、この谷の底、幽谷コースを登ったのだ。
高い木が見える。この原始林の下は全て岩なのだが此処から眺めても全く判らない。冬枯れて多少色褪せたこの緑の樹林の中に隠されてしまっている。
こんなテラスが北側にも欲しい。完全な鳥形山を見てみたい。遠く石鎚も見える筈だ。元の鳥形山の高さはどの位あったのだろう。現在は平らな所が1300m程。最高点が1347m。開発前は1500m程は有ったのか?。

高野槙 高野槙 木 鳥形山 倒木 ひめしゃら

尾根を下る。天を指す大木、真直ぐに高い。これが高野槙か?。素晴らしく立派な木だ。寺院や城の芯柱と成る樹なのだろうか?
樹林の隙間から鳥形山が見えた。少し陽が差し始めた空に白い筋が光って見える。大分下った。傾斜が緩くなってきた。尾根を横切り谷筋へと入って行く。
赤っぽいツルツルの木。ひめしゃらと言うらしい。葉を落とした枝を大きく広げている。倒木をしゃがみ、少し進むと朝分かれた分岐点に戻る。
行きと帰りが違う。それも谷筋と尾根筋。イベント会場を一回りした様な気分だ。幽谷コース、槙尾根コース どちらも目が離せない魅力に満ちていた。
出よう。10分程で、水場の有る登山口へ戻る。

林道歩き 鶴松森案内標柱

F11:50 林道終点手前登山口着 標高1050mくらい

先ほどから少し陽が差して来ている。林道をぶらぶら歩く。左手、木の間に鳥形山が眩しく光っている。
昔、不入山は土佐藩のお留山だったらしい。だがどうなんだろう。辺境の急峻で岩だらけの痩せた山だ。富を産み出す山とは思えない。お留山と言うよりも不要の山、役立たずの山だったのではないか?なるほどだから 要らず山 か?・・・真面目に考えているのに(バカモノ)。
近年においても利用価値の無い、放ったらかされた山だったのではないか?だからこそ今、こうしてこの原始の山が残った。貴重な山だ。
考えながら歩いていたらもう林道ゲートが見えてきた。

帰り

G12:35 林道入口着 標高900mくらい

まだ、お昼だ。工事の人がそれぞれの車で休んでいる。
話をすると休日だけど工事の遅れで出て来ているとの事。鶴松森方面へ工事中の林道が伸びている。四万十川源流点の行き方など教えてもらう。
最後にもう一度鳥形山を見て帰ろう。工事中のぬかるみの端に鶴松森へ1時間40分の案内柱が立っていた。また来よう、今度はあの風車を見る為に・・・。

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