疾患に対する治療 広島市中区 のま眼科医院 野間 一列

 糖尿病網膜症の精査・加療 (レーザー治療、ケナコルト・Avastin注射含む)

糖尿病患者の約30%に眼底出血(糖尿病網膜症)が発症するとされております。そして眼科疾患の失明率1位は未だに糖尿病網膜症で、毎年3000人もの方が失明に至っております。この病気の怖いところは、初期はおろか、かなり進行した場合でも自覚症状に乏しいところです。よって糖尿病であると診断されたならば必ず、いや何としても眼科に一度は受診して下さい。網膜裂孔の検診と同様に、検査には散瞳剤の点眼を行いますので、受診後7時間以上は瞳孔(黒目)が広がりっぱなしになります。したがって精査を希望される方は自分で車やバイクを運転して来院されないようにお願いいたします。蛍光眼底撮影といって、進行例には造影剤注入後の精査後、必要なケースでは手遅れにならないうちに外来でレーザー治療(光凝固術)を行わなければなりません。さらに進行したケースでは入院後に硝子体手術を行わなければなりません。しつこいようですが、とにかく自覚症状がなくても糖尿病の方で未だ眼科受診されてない方はすぐに眼科受診されることをおすすめいたします。

   
やや進行した糖尿病網膜症。蛍光眼底撮影にて両眼とも無血管野と一部に
新生血管の発生が見られた。自覚症状はまったくないがこのまま放置すれば
失明の危険があり、光凝固術を行った。



      
      A                B                 C
30年前よりコントロール不良の糖尿病があるに関わらず、眼科受診をしてい
なかった症例の初診時眼底(A)。網膜前出血と広範囲に新生血管を認めた。

汎網膜光凝固術を行い(B)、網膜症は沈静化し、現在(C)まで失明を免れている。


注:トリアムシノロン(商品名:ケナコルト)のテノン嚢下注射は糖尿病黄斑浮腫に対しては、一時的効果があるが、長期的には行わない例と差がないことが報告され始めましたので、現在では硝子体手術後の場合を除いてほとんど行っておりません。最近ではAvastinの硝子体腔注射を行うのが一般的であるといえます。

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