正月飾りの「タチコベ・タツコベ・タッコベ」⇒垂御幣・鯛御幣

  村社・郷社系統からの正月飾りは「御幣とお飾り」ですが、時代の流れと
ともに、最近は海外
 からの正月飾り擬きが多く利用され、各神社に秘伝的に伝承されている
お飾り文化も絶滅危
 惧種に属する気配が伺われます。
  私の住む地域での切り紙を用いた正月飾りの中に「タチコベ・タツコベ・
タッコベ?」と呼ば
 れるお飾りがありました。御幣は幣束の尊敬語で神霊が降臨する依代で
すが、 「タチコベ・タ
 ツコベ・タッコベ?」の由来は、タチ:立ち・裁ち・断ち、または前飾り、前垂
れ等から「垂れ」が
 考えられましたが、図柄が「鯛・網・末広」であることから、恵比寿との関係
も伺われます。恵
 比寿神は外来・海からの「来訪神・漂着神・寄り神」で、恵比寿信仰から鯛
御幣(タイコベ)が
 「タッコベ」になったとも類推されます。コベ:御幣でしょう。

 
     立体的紙注連飾り    平面的紙注連飾り          御幣・
幣束

タチコベ・タツコベ・タッコベ?と注連縄飾りの神棚



「雷神」をイメージ 試作した切り紙

「雷神・風神」は、仏教の普及とともに二十八部衆に破れ、仏教に帰依
し眷属として祀られていますが、もともとは、人類の誕生とともに崇めら
れたのが、「太陽と雷雨」が基本で、その名残が、正月飾りや神社など
に見られる「四手・垂手」だったのかもと思っています。
 その理由は、地球誕生から四十六億年程経過していますが、最初の
地球は灼熱の世界から、冷えて固まりだしたのでしょう。やがて、激しい
「雷雨」が続き、海となり、生命のもととなる原生藻類が誕生し、酸素が
生まれて空気が作られ、太陽から注がれる紫外線を吸収するオゾン層
形成され、その後、原生動物から進化した生物が地上に上陸して、進
化しながら、人類の誕生になったのでしょう。
 即ち、「灼熱の世界から激しい雷雨=放電現象」が、神社・正月飾りの
「四手=垂手」に発展してきたのではないでしょうかと思われることか
ら、「雷神」をイメージした切り紙を試作してみました。

<参考>
・古事記:「天之岩屋」の前に五百津賢木(いおつまさかき)を立て、下の枝に
白丹
 寸手・青丹寸手を垂らし・・・

 石走る垂氷の上のさわらびに萌え出づる春になりにけるかも
                     (万葉集8・418)

(お飾り)
・切り紙を用いたお飾りは、吉祥図柄で左右非対称平面的切り透かし型の注
連飾り
 と左右対称立体 型注連飾りです。私の住む地域では殆どの氏子は平面的
切り
 透かし型を飾っていますが、立体的「タチコベ・タツコベ・タッコベ?」も併せ
て飾っ
 ている氏子が 1〜2%程度あります。
・全国的な切り紙の名称は、「オカザリ・キリハライ・ハッチョウガミ・ホウライ・
キヌ・
 キリコ・お飾り・前飾り」等の呼称があります。また、「包金」も見られます。
・地域的には連接する宮城県気仙沼・唐桑・本吉地方で際立って多い傾向
(宮城県
 神社庁調)のようです。

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