平成6年(1994)3月
3月5日閉店後、久しぶりに春姫と郊外レストランに焼肉を食べに行った。本来、春姫の好物は刺身、にぎり鮨、焼肉
、洋食などで、拙者はどちらかと云えば和食党である。
食事している時の二人の様子を想像してもらえば分かると思いますが、洋皿のご飯半分と焼肉を拙者に分けてくれて
その代わりに「おいしそう〜」と言って拙者の煮魚を食べるやり取りの微笑ましい光景がそこにあります。
勝気な春姫もやさしい一面があり拙者に合わせ同じ和定食を食べる時がありますが食べ物のやり取りは毎度のこと
で彼女にとってそれが楽しみの一つみたいです。
最初に戻り、焼肉を食べていると「明日ドライブしよう」ということになり秋月行きが決まりました。翌日、昨日の約束ど
おり秋月に向け出発、鳥栖、小郡を経て甘木市に入るとアーケード街を見た春姫が「空洞化は佐賀だけと思っていたら
、いずこも同じね、寂しいわ」とため息混じりに言ったので「少子高齢化も原因の一つ」と答えた。
市街地を抜け郊外に出ると右方に山、左方に川があり直線の道路を疾走して行くと秋月の地名を付けた商業用看板
が多くなってきた。
道路標識に従い、狭い道に右折し川沿いに車を走らせると程なくして秋月入り口に到着、古風な石橋を渡り人家が立
ち並ぶ狭い道を通り誘導員の指示に従い駐車場に車を停めた。
腕を組み歩いていくと石橋がありこれを渡ると両側が桜並木で茶屋風のお店が右側に立ち並び、前に来た様な錯覚
と親しみを感じ何とも言えない風情がある所である。
山に三方を囲まれ川を堀とした天然の要害で内堀の石垣と城門を残すのみの城内には小学校があるだけで桜の開
花にはまだ早く肌寒いのに観光客が多いのにはびっくりしました。
「今度来る時は母を連れて来たいわ」と春姫が言った。二人にとって初めての秋月観光であったが「飽きることもなく
また来たくなる不思議な所」が感想でした。
大駐車場や道路を拡張する観光開発に拒否反応を示し、かたくなに自然と町並みを守る地域の人々の人なつっこい
暖かさが訪れる観光客の心を惹きつけているのかも知れないと思った。帰りの車中で「佐賀の商店街に人が来ないわ
けよ、佐賀は秋月を見習うべきね」と春姫が言った。
秋月へ初ドライブ